刑事法研連 第19期

 刑事法学研連は、第19期から新たに学協会として「犯罪学会」が加わり、より幅広い視野からの活動を展開することになった。

1 役員及び委員

 第19期の役員及び委員は下記の通りである。
(1)役職者
委員長  川端博(明治大学教授・刑法学会)
幹事  岩井宜子(専修大学教授・犯罪社会学会)
幹事  佐伯仁志(東京大学教授・刑法学会)

(2)委員(五十音順)
石塚伸一(龍谷大学教授・犯罪社会学会)
後藤弘子(千葉大学教授・犯罪学会)
佐久間修(大阪大学教授・刑法学会)
白取祐司(北海道大学教授・刑法学会)
高橋則夫(早稲田大学教授・刑法学会)

2 シンポジウム

 刑事法学研連は、2004年6月18日に北海道大学クラーク会館講堂において、「少年非行と“責任”を考える」という新たな観点からのテーマを掲げてシンポジウムを開催した。総合進行役は佐久間委員が担当し、岩井委員の司会でパネル・ディスカッションと質疑応答を行った。研連委員長の開会挨拶の後、共催者である北海道大学の大学院法学研究科長,日本学術会議北海道地区会議代表の挨拶がなされた。
 まず、白取委員の「少年非行と“責任”─企画の趣旨・総論」の報告において、シンポジウムの趣旨が詳細かつ明確に説明された。佐伯委員は、「少年非行と“責任”─少年の法的責任について」の報告において、刑事法学の立場から、非行少年の法的責任を概観した上で、少年法における少年の責任を論じられた。相澤重明・札幌家低裁判所主任調査官は、「少年非行と“責任”─家裁の現場から」の報告において、少年非行における「責任」が問題となる背景、非行を犯した少年の責任、非行を犯した責任を少年に自覚させるための調査、審判について調査官の立場からの考察を示された。内田信也・弁護士は、「少年非行と“責任”─付添人活動の現場から」の報告において、少年院送致になった少年の付添人をした体験及び少年犯罪により死亡した子の遺族代理人として損害賠償請求訴訟を提起した体験を踏まえて、付添人活動における「少年の保護育成」と「被害者救済」のジレンマに関して切実な告白をなされた。高橋委員は「少年非行と“責任”─少年の修復責任について」において、修復的司法における責任とその実現可能性について報告された。さらに指定討論者である佐藤一・北海道新聞社記者から「少年事件に対する一つの見方」と題する具体的事件に関する報告を受けた。そして、指定討論者の石塚委員及び後藤委員から各報告者への質問とコメントがなされた。これを受けてフロアから質問が出され、活発な質疑応答が展開された。非行少年により殺害された子供の母親から、涙を流しながら「真実の解明」の必要性が主張され、保護司からは、今回の企画は重要であり今後も続けて開催してほしいとの要望が出されるなど実に印象深いことであった。
 また、2004年10月22日に青山学院大学において、公開シンポジウムを刑事法学研連と日本犯罪社会学会の共催で開催した。シンポジウムのテーマは、「少年非行の最前線―子どもを非行から守る家庭そして社会がどうあるべきかー」であり、企画趣旨は次のとおりである。すなわち、「少年非行の増加やその凶悪化が連日のように報道されているが、犯罪社会学者の目から見れば、それは必ずしも実態を反映していない。本公開シンポジウムは、少年非行の実態を把握しようとする最前線の研究の結果をわかりやすく紹介し、人々に少年非行現象の理解をふかめてもらうことを目的とする。少年非行の原因やプロセスを探究し、家庭や社会全体などの視点から少年非行の予防や非行少年の更生の方策を考えてみたい。

3 国際会議への代表派遣

 刑事法学研連は、18期及び19期において国際交流を活発化する方針を決めて積極的に国際会議への出席を推進して成果が認められ、平成16年度は刑事法学研連として初めて同一年度内に三つの国際会議に会員を派遣することが出来た。これからも国際交流の実をあげることを目標としている。

4 刑事法学研連の将来

 既に御案内のとおり、日本学術会議法が改正され、これまでの期制度は2005年9月末日限りで廃止されることが決まっている。それにともない日本学術会議研究連絡委員会(研連)も廃止されることとなった。刑事法関係の3つの学協会から成る刑事法学研連も、もうすぐ幕を閉じるのである。研連委員に代わるものとして「連携会員」が選考委員会によって選出されることになっている。19期は、それまでの「つなぎ」の役を演ずることになる。
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